寝台特急北斗星の旅、小説からの回想
書店に平積みになっていた西村京太郎のトラベルミステリー「寝台特急北斗星殺人事件」、1988年発行のを講談社文庫で再び刊行。なんとなく買ってしまいました。今の時刻表と違い、上野19:03発「北斗星5号」で事件発生。最初に事件が発生、推理しながら謎解きのパターンと違い、北斗星が走行しながら事件が展開していく、たたみかけるような、スリリングな魅力があります。前半の主役が十津川警部やカメさんでなく、元刑事の橋本であるのも一味違う。各所に登場する北斗星の個室や食堂車「グランシャリオ」の様子は、乗車経験があると、よりリアルに想像できました。
事件は最初ロビーカー、食堂車(グランシャリオ)から展開し、ロイヤルの個室で最初の事件が発生。残念ながら実際に乗車した、小説での5号と同じ時間帯の「北斗星3号」では設定と違うロイヤル個室に乗車しました。9号車1番の車端で、車両入り口の自動ドアの音がプシュー、とうるさかった覚えがあります。実際にはもちろん事件など起こらないので、夜中に起こされることは無く、個室に入ってしまえば、降りるまでプライベートな空間が保てます。ロイヤルならシャワーやトイレもあるし、あ、そういえばアメニティはお持ち帰り可能です。なぜか男性用のトニックとかひげそり用のローションが入ってます。女性用の化粧水や乳液は各自銘柄にこだわりがあるから入れてないんだろうなと。(左のコースターはミニバーに付いていた物)
ミニバーセットは付いているし、モーニングコーヒーまで持ってくる。下車まで全く部屋から出ないというのもロイヤルなら本当に可能です。
西村京太郎氏を始め、推理作家に寝台特急の個室は密室としての空間を提供していますが、実際には換気口から廊下の声が聞こえるとか、案外壁が薄いので隣の話し声が結構聞こえて、完全犯罪なんて無理でしょうと思ってしまいます。ただし、降りるまで隣の人は見なかったというパターンは今までにも何回か有りました。
小説では、北海道内に入ってから事件のため朝食時間が遅らせられていましたが、実際は函館を出てから朝食に行くと、駒ケ岳や大沼公園の景色を眺めながらゆったりとした時間が過ごせます。シティホテルの朝食くらいの料金。ジュースはトマトジュースを選択。見えにくいですが小岩井まきばヨーグルトが陰に。もちろんコーヒーか紅茶も付きます。
小説の方は爆発やカーチェイスと後半かなりなテンポで展開します。今まで読んだ同氏の作品中では2番目位に好きになれました。もしも、小説を読んで実際に旅したくなった方、列車について詳しく知りたくなった方、肝心の個室とか北斗星の列車はどんなの?、ということですが詳しいサイトがあるので、そちらで楽しんでください。どちらも見るだけで旅に出たくなります。トラベルミステリーは色々な列車のタイトルがあります。読んでから乗るか、乗ってから読むか。。
寝台特急北斗星に詳しいサイト→ 北斗星の家
他の列車とも比較したい時は → ほどちゃんの島-寝台列車
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